SSのような何か

うん鋼

これまでのあらすじ 地方公務員だった金木得二は戸籍や住民票を扱う部署に勤務していたが、アイドル育成ゲームのエッチな同人誌を買っていることが職場にバレたため管理職に「君、明日から来なくていいよ。ここはカードショップじゃないんだ」と宣告されてし…

ウェザーチャイルド未視聴者はブラウザバックして映画館へ

森島帆高のセカイ系主人公みてえな青春ポイント32000点の滅茶苦茶な行動により歴史が書き換えられ、テンペスト・ブロックの世界と化した首都東京。事態の打開に向けて男たちが動き出す…ティーンエイジャー達のセカイ系青春ストーリーの尻拭いをするストロン…

糞出る短小ドカちゃんずぅ

人がゾンビになる経緯は判然としない。昔は呪い説が有力だったようだ。そもそもの起源がアフリカ・コンゴ地方のブードゥー信仰であることが大きいのだろう。なお原始的なゾンビはあくまで死人が蘇生し、自分の意思や思考を持たず永遠に使役されるというもの…

尻 穴 女 学 院

早稲田版ユアネーム 都心の中堅進学校から一般入試で文学部に入った少年・瀧と岐阜の山奥の公立高から指定校推薦で社学に入った少女・三葉。出会うはずのない二人が出逢った時、物語が動き出す… 金木「やることねえな〜」 そんし君「やることねえな〜。金も…

尻からガスが出てる

早稲田版がっこうぐらし 学生達がみんなメンヘラ中年ウイルスに感染してしまった早稲田。4人の女の子と1人の若い女性教師、一頭の犬(元メジャーリーガー)のサバイバルが始まる… えむ「私の名前はえむ!今日からお前たちは私の女性さんになるのだ!」 ゆきち…

なんか思いついたやつ

飲み屋で大学時代の友人と酒を飲んでいた。友人の名は西東(さいとう)といい、北陸地方の出身であった。 「そういえばお前の親戚の娘さあ、彩果ちゃんだっけ?こっちの大学入ったんだよね?元気にしてる?」 「入院してるよ」 「入院…」 思いがけない単語が…

第44話

新年度は最初からバタバタとしている。ケツホモシンパの残党に不穏な動きがあると通告してきたのは警察のいわゆる公安のような機関であった。 「不穏な動きって言われてもなあ…こっちから探してどうにか出来るもんでもないしなぁ。島やんどうする?」 と米長…

第43話

3月も気が付けば終盤である。「1月は逝く、2月は逃げる、3月は去る」とはよく言ったもので、この時期はとかく多忙でいつの間にか新しい年度が目前まで迫っているものである。 「スギ林を日本から叩き出せ~!」 神木田さんの謎のシュプレヒコールがこだます…

第42話

事あるごとに事件の舞台として描かれる新宿副都心。過去に多くのアニメで、ゲームで、映画で、常に舞台として用いられてきたこの街だが、実際に大きな騒動が発生したことはそれほど多くない。最大級の事件は昭和59年のゴジラ襲来(後に特生自衛隊における対…

第41話

新宿支署チームの威信をかけた技能選手権は、宮前さんの機転と熊谷さんの正確な魔法制御、白崎さんのスタミナもあって無事優勝することができた。今回のレギュレーションでは標的が絶縁シートを被ったドローンであり、宮前さんの電撃で撃ち落すという基本的…

場外戦3

東京・練馬にある特生自衛隊本部ビルに、緊張した声のアナウンスが鳴り響く。 「立花特将補、至急6階の第619会議室までお越しください」 1階の休憩スペースで南関東第2大隊長の権堂特佐、その部下の吉田一等特尉らと話をしていた私は、そのアナウンスを聞い…

第40話

青梅市は東京都のやや端っこの方にある街だ。周囲を山に囲まれた町で、綺麗な水が得られる立地故に昔から酒造が行われている。新宿支署からは電車で一本だが、今日の大会会場は青梅駅からさらに奥に進んだところにあるため、青梅から奥多摩行きに乗り換えな…

場外戦とも二次創作ともつかない謎の話

これから書くヤツは弊ブログでいつも書いてる謎の創作文書の昔的な話なんですが、都合により一部の登場人物の名前をアイ○ルマス○ーシンデ○ラガー○ズから流用していますので、書く前に謝っておきます。名前だけで性格とかまるで原型をとどめていないが許して…

第39話

年が変わっても、年度が変わるまでは3か月ばかりタイムラグがある。誰が決めたのかは知らないが、少なくとも日本では昔からずっとこのルールが採用されているのである。特に我々の勤める官庁では。 正月の連休が明け、出勤すると皆ぼ~っとしている。 「いや…

第38話

「あ~寒い。こういう馬鹿みたいに寒い日はアルコールを摂取して体内の燃焼効率を上げないと仕事にならないナア」 私に聞こえるよう大声で言いながらデスクで堂々と飲酒している坂上である。そんなに飲みたきゃ工業用アルコールでも飲んでろ、と言いたいとこ…

場外戦1

特生自衛隊の歴史は長い。半世紀ほど前に自衛隊が発足した当初は陸・海・空の3軍から構成されていたが、発足から間もなく首都圏を襲った巨大生物災害を機に有害な特殊生物の駆除を目的に設立されたのが特生自衛隊である。 で、私はその特生自衛隊に所属する…

第37話

年末年始に向けて街の浮かれ具合が加速度的に高くなってゆく季節。浮かれたアホどもに釣られて有象無象の妖怪だの物の怪だのといった連中が街に出没することが多くなるので、私達の職場はこの季節はとても忙しい。街にいるのは化け狸先輩のように酒を飲んで…

第36話

都内の繁華街に近いにもかかわらず来客のあまりない新宿支署であるが、この日は来客があった。警察庁の特殊部隊を率いる一條警視である。過去に次元間ワームホールが発生したり巨大生物が出たりする度に顔を合わせた間柄であり、調整課を通さず話せる警察サ…

第35話

今年の東京は秋というものを亡失してしまったらしく、まだ師走の商戦も始まらぬ内に初雪を観測した。朝出勤すると、葵ちゃんがせっせと署内のオフィス機器を立ち上げていた。先日の体調不良の件を私は大いに心配していたが、どうやら葵ちゃんのコンディショ…

第34話

「ずん…ずんずん…ずんだ餅」 朝出勤してくると、妙な鼻歌が室内から聞こえてきた。何事かと思って入室するとデスクがずんだ餅だらけになっていた。その奥では宮前姉妹が物凄い勢いでずんだ餅を捏ねていた。 「えぇ…」 私も困惑するしかない。熊谷さんも洲本…

第33話

秋も終わりが近づき、我らが新宿支署でもようやく暖房の運転が始まった。国からは節電方針などというバカげたお触れが出ており、暖房も必要最小限の運転をするように、とのことだったが米長コマンダーの「うるせえ」の一言で普通に暖房運転できるようになっ…

第32話

私が出張で横浜へ出向いていた所に電話が入ったのは、ちょうど用件を済ませて帰ろうとしている時であった。電話の主は一之江さんであった。番号教えたことあったかな?と思ったが、マメな性格の神木田さんがデスクに電話番号のメモを貼っていたことを思い出…

第31話

今年に入ってから急激に個体数が増加した妖怪、詰云。その発生のメカニズムは、実はまだよくわかっていない。当初は人間の女性が変異しているという物騒な説もあったのだが、失踪した人間女性よりも詰云発生数の方が明らかに多いので現在この説は否定されて…

第30話

先日のガサ入れの時に、私はうっかり杖を破損させてしまっていた。榎谷と魔法の撃ち合いになった際のオーバーワークが原因だろうか?修復で何とかなると思っていたのだが、魔法用具に詳しい宮前さんに見せたら「中が折れてるので無理です。買いなおしてくだ…

第29話

「実習生を受け入れてほしい」 八王子にある魔法学校から新宿支署へそのような要請が来たのは、今年が初めてであった。それは魔法学校が科特庁の管轄下に入り、旧来の指導者層の入れ替えが完了した証左でもあった。 魔法学校は元々魔法庁の権益の象徴のよう…

第28話

大手町にある科特庁の本庁ビル。高層ビルと呼んで差し支えないその建物内の会議室に、東京都内の各支署から招集された男達が集まっていた。新宿支署からは私の他に豊之内・第1係長と秋山・第3係長。北支署からはいつもの土方署長補佐と中須田謙介・第1係長の…

第27話

秋も本格化してくると、飲み会の様相も変貌してゆく。冷奴や刺身を肴にビールをバカスカ飲むサマースタイルは鳴りを潜め、おでんなどが卓を彩るようになるのである。 そんな秋本番の金曜日の夕方。高田馬場の片隅にある居酒屋では、新宿支署女子会なる恐怖の…

第26話

食欲の秋。ようやく夏の暑さに陰りが見え、執拗な秋雨も切れ目の見えてきたある日の夜。私は同期入庁の面々と池袋の居酒屋に繰り出し、飲み会のような食事会のような集まりを繰り広げていた。私は地方の町役場からの転職組であったが、当時の科特隊は科学部…

第25話

予言者の類は、狂人か本物かを判別するのが極めて難しい。鬼の真贋は素人でもわかるだろう。立派な角の有無で一目瞭然だ。狐娘にしたって、本物は耳が二つである。 翻って予言者は、傍から見れば人間である。そして予言者を自称する単なる狂人と外見上の相違…

第24話

依水初海と瀧貴樹の両人が支署を訪ねてきたのは、先日の宇宙怪獣の事件から1か月あまりが過ぎた頃だった。特生自衛隊(と銀色の巨人)の活躍によって宇宙怪獣の撃退には成功したものの、龍ヶ守町はメチャクチャになってしまい、住民の帰還は困難な状況であっ…