2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

第14話

統括係長という職層は中々に厄介である。私の場合、肩書は『署長補佐』となっており、科特庁の各支署には副署長が存在しないため実質的に署長に次ぐ、新宿支署職員の中の2番手という位置づけである。科特庁も官庁であるため、職層毎に給料と役職が割り振られ…

雑記26

久々の有給休暇は実家へ帰省する甥の送り迎えで消費されてしまいました。梅雨が明けたんだか明けてないんだかわからない、と思っていたら今日明けたらしいですね。 ポケモンGOが流行ってますね。どのくらい流行っているかというと私の職場でも先輩と上司が昼…

第13話

曇り空が広がり、猛暑が小康状態となっていたある日。いつも通り実調に向かう3名の職員の姿があった。熊谷さんと白崎さん、それに坂上の3人である。今回は庁舎からやや遠い、練馬区南部の関町での実調である。この地は道一本隔てて吉祥寺のある武蔵野市に隣…

第12話

梅雨明けはもう目前と思われたが、ここにきて雨の日が続いている。そのくせ水源地ではろくに降っていないので、今年は水不足が心配されいるようだ。新宿支署でも、節水を呼びかける水道局のポスターがちらほら貼られている。私が朝出勤し、自席の前の文書受…

第11話

熊谷さん・宮前さん・白崎さんが報告書をすっぽかし、私が報告書を作らされる事件があってから数日が経過した。中間管理職に就いてから数年、私自身報告書の作成能力には自信があったが、流石に3人分となると楽には終わらない。それでも無事に3人分の報告書…

第10話

白崎さんが熊谷さんの指導下に入って1週間ばかりが経過した。魔法の技術指導は一進一退といったところのようで、徐々に出力の安定感は増してきているが技のバリエーションはまだまだこれから、といった状況のようだ。それはともかく、師弟関係になった熊谷さ…

話を作ることとは脳みそを開示するようなもの

作り話を延々と書き続けるという行為は、オタクなら誰でも一度はやったことがあると思います。私は現在進行形でやってます。ただなんと表現したものか微妙な作品です。「SS」と呼ばれるカテゴリに含めてよいものかどうか。「創作」という呼び方は自分でそう…

第9話

人事異動が一段落し、書類の提出や要員配置が完了する頃には梅雨入りからだいぶ日が経ち、もう梅雨明けは時間の問題という時期まできていた。今年は空梅雨と言っても差し支えないレベルに降雨量が少なく、梅雨なんだか真夏なんだか区別の付かない日々が続い…

第8話

週末は社会人にとって特別なものであり、我々も例外ではない。豊之内や神楽坂、秋山と高田馬場で飲んで帰宅した私は、翌日が休日ということで爆睡していた。緊急招集がかかったのは、ちょうど布団から抜け出して新聞を読みながら朝食の準備をしていた午前9時…

雑記25

久しぶりに普通の日記でも書きます。ぶっちゃけ普通の日記なんか読んでる人いるのか甚だ疑問ですが。 1.mtg モダンのデッキを作ったのはいいんですが、試合に参加する時間も気力もなく、かと言ってmtgで遊ぶためだけにサークル時代の先輩後輩を呼ぶのもなん…

第7話

夏の暑さでワイシャツの下のTシャツとスラックスの下のパンツをびしょ濡れにしながらも、いつもどおり登庁した私はエレベーターの前で米長コマンダーに呼び止められた。 「あ、そうだ島やん。今日は新採候補者の面接するからな。まあ人手不足だからどうせ全…

第6話

梅雨も近づく6月頭。山も野原も青葉が繁る(都内なのでそんなに山も野原もないのだが)この季節は、諸々のヤバい奴らの活動も活発化する。一方我々はといえば、ただでさえ面倒な実調に熱中症のリスクがついて回るようになるので、この季節は出来ることならエ…

第5話

今回は私の勤務する科特庁という機関についての説明をさせてほしい。読者諸兄は人間に害をなす、様々な超常的な存在についてご存知かと思う。女性にわけの分からないものを孕ませる触手の化け物。人を取って食う妖怪や怪獣。人間の精神に深刻な被害をもたら…