鉄道カタン

というものを昨日酒を飲んでいて思いついた。実現性はともかくアイデアだけ忘れないように書き留めておきたい。

1.資源は『資金』一種類のみ

まあこの時点でカタンとは完全に別ゲーだよね。カタンは開拓がゲームのテーマになっているけど、これは鉄道経営ボードゲームにしたい。桃鉄とは別ベクトルの。入ってくる利益も、路線運用コストも、設備投資もチャンスカード購入も全部資金で決済。単純だね。

2.各マスは『自治体』

カタンでは森・牧場・山・鉱山でマスごとに資源を産出するが、資金しかねえんだからマスは町・都市・村になる。カタンだとまずマスを配置してから賽の目を決めていくが、鉄道カタンは出やすい目=大都市だ。頻繁に出目になる=収益があがりやすいが、建設コストは高い。逆に出にくい目は田舎なので、建設コストは低い。イベントカード「地方交付金」を使えば路線を建設した上に金ももらえるぞ。

3.路線の引き方と駅

まず最初に、各プレイヤーは無償で2つの駅と2本のレールを敷く。最初は当然単線、非電化レールだ。そこからコストを支払うことで複線化→電化→新幹線建設などのバージョンアップができる。バージョンアップすると獲得できる利益が大きくなるが、運用コストが高くなるのでむやみやたらと拡大しないことも戦術の内だ。

駅はカタンと同様に、六角形のマスの角に設置する。間に一つ以上空き角がないと、2つの角に連続して設置することはできない。プレイヤーがサイコロを振り、出た目と等しい数字を有する自治体マスに接している駅の所有者は売上金を受け取る。該当のマスに2つの駅が接している場合は、2回売上金を受け取る。3つの場合は3回。そして駅から出ている路線の規模によってもらえる売上金は変わる。デフォルトが1なら複線化していれば2、電化していれば4、新幹線なら10っていうような具合に。

4.売上金

最初はどのマスも発生する売上金は同じだが、マス内に施設を作ることによって1回あたりの売上金は大きくなる。ただしカタンと異なり、施設はマス内にあるためそのマスに接する駅を持つプレイヤーは等しくその恩恵を受ける。一人で1マス囲い込んで施設をガンガン建てるもよし、みんなで協力して大都市にするもよし。施設も百貨店・劇場・ホテル・球場などじゃんじゃん作ってしまおう。

5.維持コスト

施設をつくれば当然コストを支払わなければならない。利益がジャブジャブ上がっている内はいいが、賽の目次第では破綻の危機に…なんてこともある。払えない場合、一番手っ取り早いのは廃止だ。このゲームでは廃止するだけならコストはかからない。

しかしボードゲームの魅力の一つは交渉だ。そこで登場するのが「売却」という概念だ。例えばある都市。プレイヤーAは劇場の維持費が払えない。しかしこの都市、プレイヤーBの鉄道も駅を持っている。もしBが劇場の存続を望み、資金に余裕があるならば劇場を買い取るだろう。

6.乗り入れ

やはり鉄道の醍醐味の一つが直通運転。六角形のマスの上、異なるプレイヤー同士の路線が接する地点が出てくる。カタンであれば特に何もないが、鉄道ならば話は別だ。プレイヤー同士で交渉し、成立した場合「相互直通運転」を宣言できる。

相互直通は互いに接点から次の駅までとし、お互いにその「次の駅」から発生する利益を享受できる。例えば、6のマスのプレイヤーAのa駅と、8のマスのプレイヤーBのb駅の間で直通運転をしている場合、6の出目でプレイヤーBがa駅の売上金を、8の出目でプレイヤーAがb駅の売上金を、それぞれ持ち主と同じように受け取る。

ガンガン直通運転をしてインフレゲーにするもよし、断固拒否してデフレ誘導するのも立派な戦術だ。ちなみに直通運転は両者の線路のバージョンが違う場合は成立しない。直通できるのは単線同士、複線同士、電化路線同士、新幹線同士の場合に限られる。単線と複線や複線非電化と電化済などの場合は直通運転できないので気を付けよう。

7.イベントカード

サイコロで一番出やすいのは7だが、カタンでは7を出すと盗賊が移動する。しかし鉄道カタンは平和主義、商業主義のゲームなのでそんな物騒な輩はお呼びではない。7を出したプレイヤーはイベントカードを1枚引き、公開する。そしてカードに書かれているイベントが発生する。

あと、チャンスカードはカタンの醍醐味なのでイベントカードとは別に置いてみてもいいかもしれない。

・路線延伸:自身の既存路線から、路線を2本引いてよい。

・地方交付金:2のマスもしく12のマスに、駅と路線を設置してよい。建設コストはかからない。ただし既に設置可能な場所がない場合は無効。

・列島改造計画:自身の路線の内、任意の2駅間を新幹線にしてよい。建設コストは免除される。

・土砂崩れ:任意の1マスを指定し、土砂崩れカードを置く。そのマスの目が出た場合、そのマスからは売上金が発生しない。そのターンの終了時に土砂崩れカードを取り除く。

原発建設:原発建設カードを表向きにして置いておく。全ての電化路線、新幹線の運用コストが下がる。

8.ゲームの終了

基本的には路線を敷設できる所がなくなったらゲーム終了。その時点でもっとも資産が大きいプレイヤーの勝ちとなる。資産:駅、路線、保有施設を資金に換算した合計値+手持ち資金。

なお自分のターン開始時にコストを支払う必要があるが、施設は支払えない場合廃止または売却を選択できる。路線と駅は売却できず、またバージョンアップした路線をダウングレードすることはできない。施設を全て売却・廃止などで失ってなお路線の維持コストを支払うことができない場合、そのプレイヤーは倒産を宣言しゲームに敗北する。

路線を敷設できる所がなくなる前に2人以上の倒産者が発生した場合はそこでゲーム終了。残ったプレイヤーのうち最も資産の大きいプレイヤーの勝ちとなる。

いかがだろうか?実際にはテストプレイをしてみたりして詳細を詰めたりバランス調整が必要だとは思うが、気が向いたら試作品を作ってみたい。みんなで小林一三堤康次郎五島慶太を目指すボードゲーム、やってみたくない?