利き腕の話

アカウント転生する前に左利きについての話を書きました。私は左利きですし、大学時代は先輩・同期・後輩に普通に左利きの人がいました。その中で、アニメ作品には左利きの登場人物が少ない話をしたわけですが、この間ふと思ったことが一つ。ヒロインがたくさん登場するアニメ作品は多数存在します。その多くは各ヒロインごとに何らかの特徴を付与して差別化を図っているわけですが(例えば眼鏡をかけている。とか学校のアイドルである。とか。或いは単に主人公の妹であったり幼馴染であったり)、何故か「左利きであること」を特異点としているヒロインはとても少ない、ということです。何故でしょうか?

まず考えられるのは、左利きであることは特異点としては弱いということです。私のように自分が左利きである人間はともかく、右利きの人の大多数は他人の利き腕など気にも留めないでしょう。異国で日本人に会えば記憶に残りますが、日本で日本人とすれ違っても(知人や縁者、有名人でなければ)覚えていないのと同じことです。アニメのヒロインを見て「あっコイツ眼鏡っ娘だ」とか「髪色が青だ」といったことは誰でも印象に残りますが、「あっこの子左利きなんだ」ということを気にする人は少ないのではないでしょうか?アニメは売ったもの勝ちですから、余程左利きフェチのオタクが増えるか、私のように利き腕を気にする人が多くない限り「左利き」をウリにするのは難しいのでしょうね。
それから、左利きを描写することが難しい、というのも理由かもしれませんね。必要に迫られない限り、わざわざ利き腕に関する描写はしないのが普通でしょう。しかし世間一般では人口の1割は左利きらしいので、登場人物が10人を超えるアニメは1人は左利きのキャラがいないとかえって不自然ということになります。
しつこいようですが私は左利きのヒロインが大好きです。ですから多数のキャラを登場させておいて左利きが1人もいない作品には非常に憤りを覚えます。だからといって、露骨に左利きですよアピールしてくるのも嫌いなんですけどね(とても面倒くさい)。2000年代前半くらいのアニメ作品は、よく観ると1作品に一人くらい左利きのキャラクターがいたものです。私的な意見ですが、ライトノベル原作の作品が増えて以降、登場人物の総右利き化が進んだような気がします。文章ではわざわざ利き腕に言及する人は少ないですからね。
私はこの事象を「アニメの右傾化」と勝手に呼んでいます。とはいえ、私に限らず左利きの娘が好き、という層は一定数いると思うので、手間がかかっても1作品に1人くらいは左利きのヒロインを出して欲しいものですね。