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絶滅したワセメシたち

早稲田〜高田馬場地区が飲食店の宝庫であることは多くの方がご存知かと思います。早稲田大学のみならず東京国際大学東京富士大学があり、町に学生が溢れているこの地域では飲食店はいくらあっても余ることはありません。そのため学生を主要客とするラーメン屋や定食屋、弁当屋が街に溢れ、さらにインド大使館が近いためかインドカレーの店も多く存在します。
しかしながら、すべての飲食店が永久的にやっていけるほど飲食業界は甘くありません。既に閉店してしまった飲食店も多数存在します。私が学生だった7年間でも多くの飲食店がその歴史に幕を下ろしたものです。
何と言っても印象深いのはカツカレー専門店の『バレーカレー』(2008〜2009)です。私の一つ先輩の代の幹事長がこの店の熱烈なファンでして、私もよく食べに行きました。多い時には週に8回くらい。似たような商品ラインナップで、東京のカツカレー市場で覇権を取りつつある『ゴーゴーカレー』と比べてもカレールーに癖がなく食べやすかったですし、美味しかったのですが、経営陣の杜撰さが祟りわずか1年でチャンポン屋に転向、案の定チャンポン屋には客が入らず転向から1年足らずで閉店となりました。そりゃそうでしょう。世の中に存在する「カレーが食べたくてカレー屋に入る学生」と「チャンポンが食べたくてチャンポン屋に入る学生」の人数比は少なく見積もっても114514:1くらいだと思います。
思い出深いと言えば定食屋『太陽のテーブル』(2009?〜2011)も忘れられません。サービス精神が旺盛過ぎたのが仇となったか、メニューの過剰な多角化が足を引っ張ったかは定かではありませんが、こちらも短命でした。味が良くて安かった上に大人数でも入りやすい店で、ある意味サークル活動の根幹を支えてくれた店でした。この店での私の一番のお気に入りは、チキンカツに甘辛いソースをかけた『鶏のピリ辛』というメニューでした。今でもあの味の再現を目指して自宅で何度か試作しましたが、未だに成功していません。この店について後輩で大学院生のA君いわく「どのメニューも美味しかったが看板メニューのオムライスが一番微妙な出来」だったそうです。良い料理を安く提供していれば繁盛する、とは限らないのがワセメシの難しい所ですね。
これらの新興店は、繁盛の軌道に乗る前に潰れる、或いは経営戦略のミスから潰れることが多いわけですが、伝統ある名店も全てが安泰とは限りません。
神田川沿いにあったつけ麺の名店『べんてん』は店主が高齢化し、営業を続けるのが困難になったとして閉店。三品食堂・わせ弁と並ぶ?本キャン民のソウルフードだった肉丼の店『ライフ』も店主が亡くなり、奥さんが続けてきましたが今年に入りついに閉店となってしまいました。いつか肉丼の大盛を制覇しようと思っていたので残念です。
〜ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の水に非ず〜鴨長明方丈記