雑記47

友人の結婚式に参加するため福岡の実家(と言っても今住民票を置いている東京の家もれっきとした母方の実家なので、現在は父が単身赴任で住んでいるに過ぎないこの家は最早『実家』と呼べるかは微妙な所ですが)に来ています。

東京〜福岡はおよそ1000キロ程の距離があります。新幹線は最速の『のぞみ』でも5時間かかります。普段なら飛行機を使う所ですが、早割の航空券を取れなかったので新幹線を使いました。

東京駅にやって来た上りの新幹線はそのまま折り返します。手際の良さは見事なもので、到着から下りの発車まで僅か10分でした。それにしても窓側の席ばっかり売り切れてて困りましたね…。

東京から多摩川を渡り武蔵小杉を通過すると、段々関東平野から山合いの地形が多くなってきます。途中の小田原、湯河原、あたりでは海が映えます。静岡県に入ると茶畑だらけ。ここらへんで

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新幹線名物のスゴイカタイアイスを食べていると名古屋に到達します。後輩のハゲちゃびん君は今日、名古屋駅で某鉄道会社と御社弊社バトルをしていたそうです。

名古屋を過ぎ濃尾平野に入ると、見渡す限り田んぼ田んぼアンド田んぼです。たまに小高い山?古墳?みたいなのがあります。高さ20〜30メートルくらいの山の一つは麓に祠のようなものがありました。何かが封じられているのかもしれません。

新大阪を過ぎると山陽新幹線になります。運転士も車掌も車内販売のお姉さんも全員交代。JR西日本の管轄に入ります。

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JR西日本の管轄でしか売らないアイスを食べます。こいついつもアイス食ってんな。

東海道に比べると山陽はトンネルだらけです。岡山駅前には変態糞土方の銅像を建てるべきではないでしょうか(大嘘)。そうこうしている内に九州に上陸しました。

福岡の名物と言えば大通りを埋め尽くす西鉄バスの大群です。皆さんも福岡に来たら是非見て下さい。明日は結婚式の後猛スピードで東京に引き返して日曜日は出勤です。

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おわり

 

雑記46

土曜開庁ってなんだ(哲学)

最近は日記の更新を物凄くさぼっていたので、久々に書こうと思うと筆が(キーボードが)進みません。おちんちん!(憤慨)おまんこぉ~(挨拶)

最近ネットで話題のものと言えば?そうですね、ケツデカピングーですね。淫夢界隈でゲイビを笑いのタネにしている者らをもってしても、あまりの絵面の汚さ故に敬遠されてきたサム○ンビデオ。それを音声だけ持ってきてペンギンのクレイアニメに当てはめるという逆転の発想が素晴らしいですね。製作者の漂白剤兄貴は天才だと思います。個人的にはOPが変わったのがちょっと残念です。あの「フン!フン!グノシィ…フン!フン!グノシィ…グノシグノシグノシグノシ…アアァ~…グノシィ…」のOPが好きだったんですがね。アレ単品で欲しい。

日本アカデミー賞のアニメ部門は『この世界の片隅に』が『君の名は。』や『聲の形』らを抑えて優勝でしたね。劇場版艦これ?申し訳ないが金のかかっただけのクッキー☆はNG。この世界の~の方は何と言いましょうか、戦時中の市民生活を描く作品としては極めて戦後史観の影響を排した描写が高評価につながったのではないかと思います。君の名は。の方はいい作品ですがちょっとオタク臭がね…

君の名は。の方も、もっと隕石を暴力的に倒してみてもよかったかもしれません。ウルトラマンが隕石を迎撃してみたり。なんかヤバイ高性能ガンダムに乗ったクソ強い天パのニュータイプ(29)が隕石を押し返したりしたらもっと盛り上がったかもしれません。しっとりラブコメもいいですが、時代はヒーローを求めていますので。

シン・ゴジラ』は7冠を達成。ゴジラオタク歴25年の私も「面白過ぎィ!」と思ったくらいなので本当に面白いのでしょう。まあ最強の円谷作品オタクが潤沢な金と高いモチベーションを保って作った「ぼくのかんがえたさいこうのごじら」なので面白くないわけないんですが。

次は庵野に「キングコング対ゴジラ」みたいなエンタメ系ゴジラを作ってみてほしいですね。熱心なゴジラオタクの中には60年代~70年代の子供向けエンタメゴジラに批判的な意見も多く見られますが、先ほど申し上げたように時代はヒーローを求めています。ゴジラは何と言っても怪獣王、ヒーローだって務まりますよ~。

大学時代に所属していたサークルも追いコンの季節が迫ってきていますね。今回卒業するのは私が6年生の時の入部組なので、来季も私と在籍期間の被っている世代がサークルに残っていることになりますね。ただ彼らが卒業するといよいよ私と現役時代の被っている人間がサークルにいなくなることになります。学生時代も思えば遠くに行ってしまったものです。

ただ早稲田大学の弊サークルはどういうわけか関東出身の地元民が多いので、卒業後も近隣にとどまっている人間が多いですね。現状気軽に会えなくなっているのは異動で近畿へ行ったアッキーと東海地方の会社に就職した後輩のハゲちゃびん君くらいでしょうかね。まあ関東圏でも埼玉の端の方の人とは気軽には会えないですが。

何故金というものは無い時に限って芋蔓式に必要になるのでしょうか。友人の結婚式、自宅の給湯管の故障、その他諸々…せめて冬のボーナスの時期にやってくれればよかったんですがねえ…夏のボーナスまでは金欠金欠アンド金欠です。ソシャゲに金を使い過ぎていたので、これからは抑えていかなければなりません。

個人的な話ですが、ソードアートオンラインの主人公とか魔法科高校の主人公とか、決められたレギュレーションで周囲にお膳立てされて無双する系のヒーローを最近ちょっと再評価しています。価値を見直したとか嗜好が変わったわけではないんですが、コイツらよりダメな主人公を何人か見せられている内に「相対的にマシ」に思えてきたんですねえ。でもヒーローはもっとカッコよくあって欲しいとも思ってます。モロボシ・ダンのように。

モロボシ・ダンといえば、ケツデカピングー第8話のポップコーンを作るシーンの「デヤーッ!」「ウワァ!」みたいな、なんかウルトラセブンの叫びみたいな音声のところに「モロコシ・ダン」ってコメントを付けた人は天才だと思います。

おわり

 

第42話

事あるごとに事件の舞台として描かれる新宿副都心。過去に多くのアニメで、ゲームで、映画で、常に舞台として用いられてきたこの街だが、実際に大きな騒動が発生したことはそれほど多くない。最大級の事件は昭和59年のゴジラ襲来(後に特生自衛隊における対怪獣戦の切り札となるスーパーXの初陣であった)だが、これ以降の30年間は新宿では怪獣や怪物の類による大規模な事件は発生していない。

「今回は新宿の繁華街の裏通りでの怪生物の目撃情報です」

事件は発生していないが怪異の目撃情報は少なくない。何しろ人通りの多い街だ。人に関わるタイプの怪異・怪物の噂は絶えることがない。それに新宿は東京屈指の坩堝のような街であり、人もモノも雑多な町である。新宿で働いている亜人も多く、亜人福祉課の出張所もあるほどだ。

私が読み上げた実調依頼書に基づき、早速現場へ向かう矢吹係長、島村さん、神木田さん、そして宮前さん妹の4人。なお我々の新宿支署は名前だけは新宿だが小滝橋にあり、新宿の喧噪とは今一つ縁がない。4人は怪異の目撃情報のあった、西武新宿の裏の古ぼけた通りを歩いていく。

「ナオン…ナァオン…」

どこからともなく猫の鳴き声に似た音が聞こえてくる。戦歴豊富な矢吹係長がとっさに身構えた。薄暗い裏路地から姿を現したのは、黒い影のようにも見える不気味な怪物であった。人のような形をしているが、全体的に角ばった印象がありどこか禍々しい。身長は2メートル近くあるだろうか。

鎮歩スリスと呼ばれる怪物。スリスというのはどこか遠い異世界にあると言われる金属世界の住人として物語に登場する架空の生物である。この鎮歩スリスは女との出会いを果たせぬまま死んでいった者たちの妄執が、そのスリスの姿に生まれ変わった物であるとされている。

「ナオン…ナオン…お、女ァ!」

女性陣を見つけ、物凄い勢いで飛びかかってくる。鎮歩スリスは女を見つけると生殖行為を狙って襲いかかる危険な怪物だが、その一方で男性の気配がすると警戒して姿を現さない。今回の調査に女性職員しか動員されていないのはそのためである。(そうでなければ、豊之内に一撃で仕留められておしまいなのだが)

「間合いが近すぎる…」

魔術弓で射撃を試みる矢吹係長だったが、鎮歩スリスが予想以上に素早く距離を詰めて来たため十分な間合いが取れていなかった。黒い影の如く、一行の頭上に飛びあがるスリス。

「この…変態野郎があっ!」

神木田さん、魂の叫びと共に火球をぶつける。鎮歩スリスは飛び退いたが、それほどダメージを受けた感じではない。思いのほか頑丈な身体をしているのかもしれない。

「アア…キモチィ…キモチィ…」

女性に構ってもらえて性の悦びでも感じているのか、不気味な声を上げながらクネクネとのたうち回るスリス。そのおぞましい姿に、後ろで見ていた島村さんは思わず顔を背ける。間合いの取れた矢吹係長は魔術弓を展開し直して、のたうつスリスに照準を合わせようとする。

だが鎮歩スリスはギリギリのタイミングで矢吹係長の攻撃をことごとく躱し、軽快に彼女たちの周りを飛び回る。かなりの身体能力である。なんとか動きを封じる方策はないものか。思案に暮れる矢吹係長。その時彼女はある作戦を閃いた。

矢吹係長に耳打ちされた島村さん、立て続けに水流を放射していく。しかし相手は矢吹係長の「風の矢」さえ躱せる鎮歩スリス。弾速の劣る水流が命中するはずもなく、周囲に無数の水溜まりを作るばかりであった。やがて島村さんの水流攻撃が止むと、鎮歩スリスは待っていましたとばかりに飛びかかろうとした。

しかしスリスは島村さんの手前1メートルほどの所に着地しようとして思い切り足を滑らせた。前のめりに1回転して飛び退るスリス。島村さんの作った水溜まりを宮前さん妹が凍らせていたのである。そこを見逃さず、立て続けに矢を射かける矢吹係長。スリスは器用に氷の上を滑走して、攻撃をすんでの所で回避する。

多数ある水溜まりの中の一つへ鎮歩スリスが着地した時、突然氷が割れて足がスッポリと嵌った。スリスが驚愕の表情で足元を見ると、水溜まりの下にマンホールの金属製の蓋が見えた。神木田さんがその蓋を炙り、氷の下を融かしていたのである。気づいた時にはもう後の祭り、すかさず宮前さん妹が水を再凍結してスリスを足をガッチリと固定する。

「全く手のかかる奴ですねあなたは」

矢吹係長はそうつぶやくと、風の矢を撃ち込んだ。自らの死を悟り目を閉ざす鎮歩スリス。矢吹係長の放った矢は正確にスリスの痛覚神経を破壊し、続く第二射がスリスを永遠の眠りに就かせた。一切の苦痛を与えることなく。

「随分と気を使った殺し方をしますね、係長」

不思議そうな表情をする宮前さん妹。

「まあ、この怪物に恨みとか敵意があったわけじゃないからね」

疲れたような表情で、それでも柔和な笑みを崩さず答える矢吹係長。実際のところ、この手の残留思念系の怪物は苦痛に満ちた死に方をすると姿形を変えて再び現れるリスクが少なからずあるため、苦痛を与えず死なせるという処置は間違っていない。

「姿形を変えても、また現れてほしい人もいるものですけどね…」

神木田さんがポツリと呟く。過去の抗争の残党として命を落とした友人のことを思い返しているのだろうか。隣にいた島村さんはヘトヘトだったせいか、それには気付いていないようだった。

スリスの亡骸を本庁の研究員に引き渡し、4人は支署への帰路についた。春を待つこの季節は日没が徐々に遅くなっていく。先週までならもう真っ暗になっていた時刻だが、まだ夕焼けが残っている。西武新宿から小滝橋へ至る道路を歩く4人であった。

つづく

第41話

新宿支署チームの威信をかけた技能選手権は、宮前さんの機転と熊谷さんの正確な魔法制御、白崎さんのスタミナもあって無事優勝することができた。今回のレギュレーションでは標的が絶縁シートを被ったドローンであり、宮前さんの電撃で撃ち落すという基本的な攻め手を封じられたこともあって苦戦が予想されたが、熊谷さんが雹を当ててドローンを落とし、白崎さんが絶縁シートと機体の隙間に根気よく苔を植え込み、隙間に宮前さんが電流を流し込むという極めて地道な戦術でスコアを伸ばしていった。

宮前さん妹率いる魔法学校選抜は全体で6位。学生としては健闘した方だろう。私の昔の教え子たちも今回のレギュレーションに適応しきれず、鷺沢さんのチームの4位が最高だった。三船さんと高垣さんが審判員として来ていたので、私は試合の終了後は優勝した熊谷さん達を労う前に彼女たちと飲みに行ってしまい、翌日は3人から冷たい視線を浴びせられた。

さて来年度の人事が固まりつつあった所に突然本部から辞令が飛んできた。秋山係長を近畿方面本部(今年から関西方面本部が近畿方面本部と京都本部に分割された)に異動させる、というものだ。来年度から統括係長職を秋山係長に任せるつもりだったので、これには参った。

序列で言えば、統括係長になるのは豊之内係長か。彼は現場に投入されて真価を発揮するタイプなので、デスクワーク中心の統括職にするのは不安である。まあ神楽坂が副署長として来るので、事務関係は彼に任せるとしよう。

考え事をしながら1階へ行くと、年度末が近いので臨時の窓口が開いている。各種の資格証明の更新や亜人の異動届け出を受け付けるための窓口である。窓口は委託職員さんたちが出てくれているので、私達は奥で書類をチェックするだけである。

書類のチェックの仕事を終えて2階のデスクに戻ると、FAXで来た書類が机上に置かれていた。氷柱が刺さった状態で。

「熊谷さんまだ怒ってるんですかね…」

ぼやきながらFAXに目を通していく。広域業務の依頼であった。新宿支署の管区外の案件でも、そこの管轄支署に適切な職員がいなかったり、他の支署に同種の事件の経験者がいる場合に応援を要請するものである。今回の事件の場所は埼玉県・秩父山地のとある山であった。

「全身毛だらけの化け物ねえ。ハゲのおっさんが聞いたら嫉妬で狂いそうな奴だな」

依頼の内容を聞いた豊之内の感想がそれであった。

「科特庁の記録で調べた感じだとノヅチかシシノケでしょう。北陸を中心に西日本ではポピュラーな妖怪ですが関東では目撃例はありませんね」

いづれの妖怪も毛むくじゃらのイモムシというかナメクジのような姿をしている。一説には昔、間引きによって生を全うすることを許されなかった者達の怨念が寄り集まって生まれたとされ、別の説では間引かれた奇形の子どもと山の神の間にできたものとされている。いずれにせよ、まともなものではない。

「じゃあ私も行きます。妖怪の類に対しては嗅覚が利きますから」

名乗り出る葵ちゃん。私としては危険なので連れて行きたくないが、そういうわけにもいかない。

「わかりました。ただし山に入ったら車から降りないように」

秋山係長の運転する車で山中に入ると、昼間だというのにヘッドライトなしでは視界が利かないほど薄暗かった。葵ちゃんの指示する方向へ車を進めていくと、赤ん坊の泣き声のような不気味な音声が聞こえてきた。私の右袖を強く握りしめる葵ちゃん。

「どうやらお出ましのようだな」

豊之内はいつもの調子からは考えられないほど真剣な表情になっている。秋山係長も運転席の脇に置いてあるバットのような得物のグリップを握りやすい位置に動かす。私も長杖―ここに来る前に一日中日干しにしていた物をいつでも取り出せる位置に持ってきておいた。

暗闇の中から姿を見せたのは、全長2メートル程度のヘビのような物体だった。目はなく耳もなく口だけがあり、全身をヤマアラシのように硬い針で覆われた異様な生物。私も実物を見たのは初めてだが、記録にあったシシノケと見て間違いないだろう。甲高い赤子の悲鳴のような鳴き声が暗い山中の空気を切り裂く。

「負の魔力が濃いな、山の神様って感じはしねえぜ」

シシノケを一瞥した豊之内が呟く。豊之内と秋山、そしてさっきまで車内で爆睡していた坂上が車外に降り立つ。私も車外に出て応戦したいが、葵ちゃんを1人にすることの危険性を考えて車内に残った。私が車内で杖を軽く一振りすると、青白い光の球が周囲へ飛び散り、半径10メートル前後―木々に囲まれていてさほど広範囲ではないが―を照らし出した。

シシノケが転がりだした。豊之内(既に闘鬼へ変身している)へむかって加速しながら転がっていく。すんでの所で飛びのいて躱す闘鬼。さっきまで闘鬼が背にしていた岩は、シシノケに衝突され綺麗に圧し潰されていた。もしこれが私のいる車の方に転がってきたら…。

私の心を読んだのか、唐突に方向を変え車の方へ向かってくるシシノケ。だが横っ腹に坂上=盃鬼の青紫の炎をまともに浴び、ひとたまりもなく跳び上がった。

戦鬼(オニ)の成り立ちは相撲の力士に似ている。元々は通常の人間である者が過酷な鍛錬と修業とを積み重ね、神に通じる力を手に入れるというプロセスは両者に共通である。現代では相撲は興行の色が濃く、力士に神通力があるかはわからない。ただ明治期の大横綱である梅ケ谷などは病人の枕元で四股を踏んだらその人の病気が治ったとの伝説があり、少なくとも昔は力士と戦鬼は近しい存在であったことが伺える。

跳び上がって体勢を立て直さんとするシシノケ。だがその着地点は既に闘鬼に読まれていた。着地の瞬間に音撃棒による強烈な一撃を食らい、シシノケは薄気味の悪い甲高い鳴き声を上げた。周辺に飛び散ったシシノケの針が、闘鬼の一撃の破壊力を雄弁に物語っていた。

躊躇を見せることなくシシノケを殴打する闘鬼。その清めの打撃が振り下ろされる度に、周囲の重苦しい空気が溶けて消えてゆく。時間にすれば一瞬の出来事であったが、見ている私達にはとても長く感じられた。闘鬼の手が止まった時には、シシノケは息絶えて(怪異の類に元から命があるのかどうかも怪しいが)動かなくなっていた。さっきまで不気味な暗闇だった森の中は、清浄な静けさを取り戻していた。

一同が帰ろうと車に乗り込もうとした時、藪の中から何かが飛び出してきた。身構える私達。だがその正体に気づくのに要した時間はせいぜい1秒程度であった。

「あ、島さんにトウキさん。サカヅキくんも」

現れたのは江戸川支署の所長補佐、秋吉統括係長=暁鬼であった。どうやら彼にも広域依頼が来ていたようだ。闘鬼が東の正横綱なら暁鬼は西の正横綱である。

「ちょうどいいや。実は電車とタクシーで乗り継いで来て山の中を歩き回って、シシノケを山の反対側で仕留めてきたんでね。途中の川越の駅あたりまで車に便乗さしてくださいよ」

かくして新宿支署から派遣された私達5人は、車に思いがけない客を乗せて帰路についたのであった。葵ちゃんは緊張が解けたからかすっかり熟睡していた。戻ったら熊谷さんの機嫌が直っているといいな、などと思いながら私は埼玉の、かつての武蔵国の平野の果てを眺めていた。

つづく

雑記45

身の回りで次々と色んな事が起きています。先日も申し上げましたが同期のアッキーは異動により西の方へ旅立ちました。私はどんなに異動しても自宅から10キロ圏内にしか行かない仕事に就いたのでこの辺はどうもピンときませんが、どうやらそこそこの大きさの企業では全国転勤がある所も少なくないようです。

そんし君もひとまず就職先が決まったとのことで、私も胸をなで下ろしている所であります。先日は映画を観に行ったついでに祝いの席でも、という感じでしたが若干バタバタしていてそれどころじゃなかった感があるので、また日を改めてお祝いでもしたいと思います。

『咲』の実写版の映画を観てきました。シナリオは京太郎がいなくなった点を除けば原作とはほぼ変わっていません。何の説明もなく「ダブル役満を認めない」とか「大明カンは責任払い」などのハウスルールを持ち出してきた所も原作とまったく変わっていないので、原作を読まずに観た者は「改悪だ」などと言わないように。映画観て思ったけど咲の長野県編、やっぱ面白いですね。全国編も美少女全国図鑑としては素晴らしい出来ですけどね。

正直、咲の実写をテレビで観た時は「コスプレ物のAVみたいだな」くらいに思っていたのですが(失礼)、舞台挨拶を見るとイメージ変わりますね。本物の女子高生が女子高生の役を演じている、アニメばっかり見てるとそれが逆に新鮮です。

話は打って変わって、稀勢の里がとうとう横綱になりました。私の個人的な意見としては優勝1回で横綱は甘すぎるのではないかと思います。過去に優勝5回の魁皇、優勝3回の千代大海という名大関たちを見て育っただけに尚更。しかし世の中には稀勢の里ファンが多いようで、横綱昇進に疑問を呈すると「日馬富士鶴竜より強いんだから横綱になって当たり前」という意見をよく目にします。これは大いなる誤解です。

忘れてはいけないのは、日馬富士鶴竜も「横綱になった時点では」明らかに今の稀勢の里よりも強かったということです。鶴竜白鵬日馬富士を下しての全勝優勝で昇進を決めていますし、日馬富士に至っては2場所連続の全勝優勝です。あの貴乃花以来の連続全勝優勝による綱取りだったのです。

日馬富士は軽量の変化力士だったため横審のウケが悪く、「2場所連続優勝だけで横綱は甘い」といわれていました。今の稀勢の里に対する横審の態度と比較するとどうですか?人種差別ととられかねないものでしょう。結局この横審の嫌がらせにも負けず、日馬富士は通算優勝8回を記録し、十分に一流の横綱になったと言えるでしょう。稀勢の里も大甘裁定とは言え横綱になったので、8回は厳しくても最低でも魁皇と同じ5回は優勝して欲しいと思います。そうでないと(貴乃花と比較されたせいで)横綱を逃した名大関達に面目が立ちませんからね。

デレステ、今回の上位報酬は栗原ネネです。BRKTくんあたりが「ねねっち」って言いだすだろうな~と思っていたら案の定ツイッターで言ってました。

おわり

 

 

場外戦3

東京・練馬にある特生自衛隊本部ビルに、緊張した声のアナウンスが鳴り響く。

「立花特将補、至急6階の第619会議室までお越しください」

1階の休憩スペースで南関東第2大隊長の権堂特佐、その部下の吉田一等特尉らと話をしていた私は、そのアナウンスを聞いて急いで会議室へ向かった。6階の619会議室へ到着すると、特生自衛隊の主要幹部である池元幕僚長と三雲特将、それに陸・海・空の各自衛隊の担当者が招集されていた。さらに背広を着た海上保安庁、科学特捜庁の職員も来ている。

「早速本題だが」

池元幕僚長が口を開く。

「今朝日本海で大型怪獣とおぼしき影が海自のレーダー網に捉えられた。最悪のケースは想定したくないが、もしかしたらゴジラBタイプかもしれん」

ゴジラというのは大型怪獣における模式種である。いくつかタイプがあり、Aタイプは善悪の別はなく、ただ上陸して通過していくだけだ。そのためこちらから攻撃しなければ害はない。Cタイプは知能が高く、明確に人間との意思疎通が可能である。そのため古くから守護神として信仰の対象となってきた。

問題はBタイプと呼ばれる個体群で、これは明確に人間、あるいは文明というものを敵視している。1954年に東京を襲った個体や、21世紀初頭に各国の原潜を襲撃していた個体がこれに該当する。また昨年東京に上陸した『怪獣G』と仮称されている怪獣も、近日中に正式にゴジラBタイプに分類されるだろう。

「怪獣の探査なら特生自衛隊の管轄になる。立花特将補、貴官は科特庁と連携して問題の怪獣の捜索に当たってくれ」

三雲特将はそう言い、私に辞令を交付した。

幕僚長らが引き上げ、619会議室は即席の作戦本部へと姿を変えた。通信機やモニターがいくつも持ち込まれ、通信系統は権堂一佐が、解析は家城一尉がそれぞれ責任者となった。家城一等特尉は練馬基地の紅一点で、過去には対ゴジラ(その時上陸したのはAタイプだった)哨戒の経験もある。

北陸沖に展開した特生自衛隊哨戒艦から、逐一海中のデータが送られてくる。哨戒艦『室見』『脊振』『呼子』『篠栗』の4隻からなる哨戒部隊が、海中をくまなく探索している。特生自衛隊は軍艦も飛行機も持っているが、これらは怪獣駆除という目的に特化しているため「戦力」に抵触しないということになっている。尤もレーダー妨害機能もなくステルス性も持たない特生自衛隊の装備は、国家間の戦争になれば役に立たないだろう。

陸地では科特庁の航空機『ジェットビートル』による探索が続いている。特生自衛隊にもヘリはあるが、地中に潜っている怪獣の探査にかけては科特庁の方が技術が進んでいるのである。

「もしゴジラBだったらまたドンパチやることになりますね」

権堂一佐は冗談めかして言ったが、実際のところ幕僚長の言う「最悪のケース」がそれである。1954年のケースや、大規模上陸こそ阻止したが昨年のケースのように市街戦になりかねない。仮にゴジラBであれば、何としても本土上陸の前に仕留めなければならない。

ゴジラに限らず、怪獣の上陸は台風や地震の比ではないほどの大惨事を招くことが多い。1990年代にアメリカに巨大な二足歩行のトカゲのような怪獣が出現したり、近年はロシア、中国、オーストラリアなど世界各国で怪獣の出現が問題になっている。ただゴジラに限ってはほぼ日本固有種と言われ、日本以外では過去にハワイと香港にそれぞれAタイプが一度ずつ出現した程度である。

怪獣問題は今や世界共通の課題となりつつある。そのため各国では通常の軍隊とは異なる、怪獣対策専門の組織を保有するようになっている。特に怪獣の多い環太平洋地域では、日本・アメリカ・ロシア・中国・オーストラリアが中心となって環太平洋怪獣対策協定(パシフィック・リム)が締結され、各国が怪獣の情報を共有している。

とはいえ、日本は怪獣天国と言われるほど世界でも突出して怪獣出現数が多い。特生自衛隊と科学特捜庁の戦力を合計すると、全世界の他の対怪獣戦力の合計に匹敵するといわれるほど我が国の対怪獣防衛は進化を続けてきた。それは必要に迫られてのことだったのである。

「立花司令官、科特庁のビートルから怪獣と思しきサーモ映像が送られてきています」

家城一尉の言葉が私を現実へ引き戻す。地中を掘り進むように移動する熱源。大きさは60メートル前後、たしかにゴジラと同程度のサイズだ。だが—

ゴジラではなさそうだな。進路上の岩石を摂食しながら掘り進んでいる。こういう行動パターンをとる怪獣はゴモラと見て間違いないだろう」

ゴモラゴジラとは一文字違いだが、大和怪獣と呼ばれる日本に昔からいる在来怪獣の一種である。性質は温厚で人に積極的に危害を加えることはなく、ゴモラが作った地下の空白は溶岩の流路となり、大規模な噴火を未然に防ぐことから有益な怪獣と見做されており、海の守り神として崇拝されるゴジラCタイプに対しゴモラは山の守り神とされている。

なお両者の呼び名の由来には諸説あり、一説には海中の現世と異世界を隔てる門を守護し、不浄の者の侵入を防ぐ『護門羅』と大地を守る『護地羅』が語源であり、両者の名称が逆に伝わっているとする説もある。一方でゴジラは南伊豆地方の大戸島の伝承にある海神『呉爾羅』が由来であり、ゴモラは『籠る者』が由来であるため名称の逆転は無い、とする説もある。

ひとまず、ゴジラBタイプが既に上陸済みという最悪の事態は避けられた。

「陸の方は空振りか…まあいい、海上探査に専念してくれ」

報告を受けた池元幕僚長の指示を待つまでもなく、既に哨戒艦は4隻体制から『綾部』『餘部』を加えた6隻体制へ移行している。水上艦からのソナー索敵だけでなく、小型潜水艇を投入しての目視探索も行われている。しかしこれまでに見つかったのは、残念ながら15メートル弱のクジラ数匹を10メートル弱のダイオウイカだけであった。

深夜になり日付も変わった頃。夜食の出前を食べ終え、再び作戦本部に戻る。それから10分と経たない内に哨戒艦『脊振』から入電がきた。

富山県沖30キロの地点に大型の怪獣と思われる影を探知。該当する怪獣の型は現段階では不明。科特庁によると動作の傾向から外棲怪獣の可能性は低いとのこと」

怪獣には大まかな分類がある。一つは宇宙怪獣。その名の通り宇宙から飛来する怪獣である。甚大な被害を伴うため、早期発見が肝心だ。それから外棲怪獣だが、これは地球内部から出現する怪獣のうち、地球外生物の遺伝子構成を持つ怪獣の総称である。数年前に米国にあらわれた『ムートゥー』が有名だが、何故か日本ではほとんど確認されていない。これらは外宇宙から地球侵略のために送り込まれているという説もあるが、現状ではオカルト話の域を出ない。

それから地球在来の怪獣である。地球在来種は本来、温厚な性格のものが多く危険度は宇宙系の怪獣よりも低い。例外は人類の怨嗟・未練など負の感情を取り込んだと言われているゴジラBタイプと(ゴジラBタイプも人類出現以前はAタイプ同様の自然現象のようなものだったのではないかとされている)、そもそも人類を捕食するギャオスくらいだろう。なおギャオスは90年代の大量発生を最後に姿を確認されておらず、絶滅したのではないかとの指摘もある。

「立花司令官。潜水艇から送られた映像の動作解析が完了しました。どうやら水棲怪獣マンダであると思われます」

解析官から報告が上がった。マンダは水中に棲む巨大な怪獣で、東洋の龍に酷似した姿をしている。性質は温厚であり、古来から海神の一種として崇拝されてきた他、滅亡したムー大陸の守護神だったとも言われている。水棲の怪獣であり上陸してくる恐れはなく、また付近を通る船舶を襲った例もないので、放置しておいて構わないだろう。

「ただいまを以て全員の今回の任を解く。お疲れ様」

もう深夜の1時を回っていたので、私はさっさと本部を解散させて官舎に戻って寝ることにした。車を出そうと玄関へ出る途中で池元幕僚長に呼び止められた。

「先日の怪獣Gなんだけどな、科特庁の研究結果によるとどうもゴジラBとは違う種族だったらしい。ABCの各タイプに分化する前の状態のゴジラゴジラの真祖だっていうんで『シン・ゴジラ』などという大層な名が付与されるそうだ」

「シンだろうがキラだろうが人に害なすなら我々は倒すまでです」

私はそう言い、玄関に横付けされた車に乗り込んだ。池元幕僚長も軽く頷き、やはり玄関に横付けされた車に乗り込んでいった。時計を見ると午前2時になっていた。

つづく?

 

 

 

 

 

 

雑記44

最近やることが無さ過ぎてくねくね先輩を無限にループ再生しています。くねくね先輩、よく見ると縦方向にも伸び縮みしているんですねえ。明るいBGMも相まって、見ていると明るい気持ちになります。最近気持ちが沈みがちな人にはオススメです。

www.nicovideo.jp

見とけよ見とけよ~。

最近気になっている(気になっているとは言ってない)こと。『童貞を殺す〇〇』とかいう存在ですね。どうも世の中には何が何でも童貞に死んでほしい勢力が一定数いるようで、セーターのある部分をパックリ開けた物を女の子に着せて「これを見せれば童貞は死ぬはずだ!死んでくれええええええ!」とばかりツイッターで喚き散らしていて見苦しい限りです。

私も仕事の休み時間とかによくツイッターを見ていますが、TLに流れてくる「童貞を殺す〇〇を来た××」という画像の「××」には大抵アニメやゲームのキャラクターの女の子が来ます。そいつらはそういう恰好しなくても普通に存在してれば童貞を殺せます。服の威力の実証になってない。

私が過去に見た例でいうと

1.童貞を殺すセーターを着た新田美波…うん、美波なら給食のおばちゃんの恰好してても童貞殺せるね。

2.童貞を殺す服の鷺沢文香…文香は露出増えすぎると持ち味の上品な性的魅力が減少ししまう。したがってその服装は逆効果。

3.童貞を殺すセーターの赤城・加賀…艦これの空母は和装だからいいんだよこの糞ニワカ。うんこ鼻に詰まらせてしんじまえ!

まあこんな感じですね。死んでるのは童貞じゃなくてお前らの童貞観じゃボケ。

まったく話は変わりますが大学の同期のアッキーが突然の転勤。しかも行先はよりによって西の方。麻雀部は卓割れです。しばらく活動出来なくなるかもしれませんね。しょかさんやそんし君に是非とも参戦して欲しいところ。あとはもうホリぞう君の復活を待つしかないですね。

先週の日曜日は20人ばかり人を集めて送別会をしました。体調不良ドタキャンのううう君からは後日キャンセル料を徴収します。色々な世代の面子をかき集めることが出来て嬉しかったです。岬ちゃんとたりずー君やA君としじみんなど、普段なかなか顔を合わせない組み合わせも見られたので楽しかったです。後輩のハゲちゃびん君とさかこ君が来られなかったのが残念ではありますが。

艦これ、久々に改二が実装されました。荒潮かぁ…いいんだけどさあ…(レベル23)…ダメみたいですね。まあ今頑張って育ててます。おうおうおうお前いつ実装するんだ青葉改二よぉ~そんなんだから『この世界の片隅に』に負けるんだよお前~。流石に敵をインフレさせ過ぎて叩かれたからか、最近は任務で編成縛りをして味方をデフレさせて難しさを維持している感じはあります。

タナカス「艦これでは特定の編成による縛りは入れたくありません」(キリッ)←この言葉はどこに行ったんですかね…

最近はブログに書こうかなと思っていたことをブログを開いた瞬間忘れる傾向にあり非常に困っています。しょかさんの尻を揉めば治るかもしれない。

おわり